次世代モビリティは、環境負荷の低減やエネルギー消費量の削減など、より持続可能な社会を実現するために注目されています。これらの技術は、地球環境にやさしく、交通事故の数を減らし、移動手段の効率を高めるというメリットがあります。その中で、山一電機はコネクタ技術で未来のモビリティ開発に貢献しています。
山一電機の車載用コネクタには、以下の4つの種類があります。
- カメラモジュールコネクタ:車載用のカメラに使用されるコネクタです。カメラモジュールからの画像データを車載コンピュータなどに伝送するために使用されます。
- インターフェースコネクタ:インフォテインメントシステム(ナビゲーション、音声認識、オーディオ、ビデオなど)に使用される入出力コネクタです。これらのシステムは、ドライバーに情報を提供するために車載コンピュータと通信します。
- FPC/FFCコネクタ:車両の安全機能やADAS(先進運転支援システム)などに使用されるFPC/FFC*1 を接続するコネクタです。FPC/FFCは、小型化された高密度配線を可能にし、カメラやセンサなどの小型デバイスとの接続に適しています。当社は、コネクタ製品とFPC(YFLEX®*2)の両方を手掛ける業界唯一のメーカーであり、セットでご提案が可能となります。
- Board to Boardコネクタ:車載電子機器ユニット内部の複数のプリント基板を接続するために使用されるコネクタです。例えば、車載コンピュータやセンサなどの異なるモジュールの基板間を接続する場合に使用されます。
参考:
*1 FPC:Flexible printed circuits フレキシブルプリント基板/FFC:Flexible Flat Cable フレキシブルフラットケーブル
*2 YFLEX®(フレキシブル配線板)
YFLEXは低損失の液晶ポリマー(LCP)を絶縁基材に採用した、フレキシブル配線板です。5G、通信、ミリ波レーダー市場で求められる28Gbps、56Gbpsクラスの高速伝送用途やアンテナ基板用途にも対応可能です。
YFLEX®(フレキシブル配線板)の製品紹介
山一電機は、コネクタ技術を中心に自動車業界に以上のような製品を提供しています。
この中で今回は2製品を紹介します。
小型化、軽量化された高速伝送コネクタ【Y-MFC シリーズ(Mini-FAKRA Connectors)】
インターフェースコネクタ「Y-MFC シリーズ」は、自動車の車載通信やインフォテインメントシステムなどに使用される小型コネクタの一種です。これは、従来のコネクタよりも小型化、軽量化されており、自動車開発にも適応しやすくなっています。最大15GHzクラスの高速伝送に対応しており、車両内の情報伝達に欠かせないものとなっています。
以下に、Y-MFC シリーズの主な用途を紹介します。
主な用途
1. カメラ接続: 自動車のバックカメラやサイドカメラ、フロントカメラなどの映像信号を伝送
2. GPS接続: 自動車のGPSシステムに使用されるアンテナを接続
3. センサ接続: 自動車の駐車センサや衝突回避センサなどのセンサ信号を伝送
4. オーディオ接続: 自動車のオーディオシステムに使用されるスピーカーやアンプなどの信号を伝送
Y-MFCシリーズの製品紹介
自動車特有の過酷な温度環境に対応【HF601シリーズ】
ZIF*3タイプのFPC/FFCコネクタ「HF601シリーズ」は、自動車の安全性を向上させるために、ADAS(先進運転支援システム)などに使用されています。これは、車両が周囲の状況を正確に認識し、運転者に情報を提供するシステムです。HF601シリーズは、125℃という高温環境でも信頼性があり、自動車の安全性を高める上で重要な役割を果たしています。車載で使用されるコネクタは、様々な環境に対応する必要があります。例えば、エンジンルームや車体下部に搭載される電子機器ユニットの場合、高温や振動、湿度、塵埃などに耐えなければなりません。一般的に、車載コネクタは、-40℃から105℃程度までの温度範囲で動作することが求められますが、HF601シリーズは125℃という高温にも耐えることができます。
参考
*3 ZIF(Zero Insertion Force socket)
電子部品のコネクタやソケットの結合部の仕組みの一つで、挿入や取り外しをコネクタ脇に設けられた小さなレバーの上下げによって行なう機構
HF601シリーズの製品紹介