光トランシーバ用コネクタは、光トランシーバのインターフェイスとして使われるネットワーク機器向けコネクタです。
光トランシーバは「電気信号」と「光信号」を変換するためのデバイスで、近年の通信ネットワークの帯域幅の増加にともない、データセンターの機器間を高速でつなぐ基幹部品として需要が拡大しています。
この記事では、光トランシーバ用コネクタの規格とその選び方について解説します。
光トランシーバが使われる通信ネットワークは、以下のように分類されます。
通信ネットワークの分類 |
通信距離 |
|
---|---|---|
コアネットワーク |
主に都市間通信(100km以上) |
|
メトロネットワーク |
主に都市内通信(10~300km程度) |
|
アクセスネットワーク |
データセンターネットワーク |
データセンターでの通信が中心(数十km程度) |
無線アクセスネットワーク |
スマートフォンでの通信が中心(数十km程度) |
|
固定アクセスネットワーク |
パソコンからの通信が中心(数十km程度) |
通信ネットワークで使われるネットワーク機器の種類
各通信ネットワークでは、以下のようなネットワーク機器が使われています。
通信ネットワーク | ネットワーク機器 |
---|---|
コアネットワーク | 長距離光伝送装置およびルーター |
メトロネットワーク | 中距離光伝送装置およびルーター |
データセンターネットワーク | ルーター、イーサネットスイッチ、サーバ、ストレージ |
無線アクセスネットワーク | RRH、BBU、RU、DU、CU |
固定アクセスネットワーク | OLT(通信会社の光回線終端装置) ONU(オフィス・家庭などの光回線終端装置) |
光トランシーバ用コネクタの規格と製品ラインアップ
光トランシーバ用コネクタは、通信ネットワークで使われるネットワーク機器の規格によって選択することができます。
それぞれの規格に対応した適切なコネクタを選ぶことで、歪みの少ない安定した通信が実現します。
CFP
CFPは〈Centum Form-factor Pluggable〉の略で、40Gbpsや100Gbpsなどの大容量高速通信を可能にする大型のモジュールです。
その仕様や特性によって、CFP/CFP2/CFP4/CFP8などの規格があります。
SFP
SFPは〈Small Form-factor Pluggable〉の略で、データセンターをはじめスイッチングハブやルータなどさまざまな機器で広く使われている小型のモジュールです。
その仕様や特性によって、SFP/QSFP/DSFP/OSFPなどの規格があります。
製品ラインアップ
規格 | シリーズ | 対応速度 | |
---|---|---|---|
CFP | CFP | CA009シリーズ | 40Gbps/100Gbps |
CFP2 | CN121シリーズ | 40Gbps/100Gbps | |
CFP2 Mid Mount | NRZ 28Gbps | ||
CFP4 | 40Gbps/100Gbps | ||
CFP8 | CN168シリーズ | 400Gbps | |
SFP | SFP28 | CN109シリーズ | 25Gbps |
QSFP25 Style B | CN120シリーズ | 40Gbps/100Gbps | |
QSFP56 | 200Gbps | ||
QSFP-DD Single | CN174シリーズ | 56Gbps | |
DSFP | CN109 シリーズ | 56Gbps | |
OSFP Single | CN176 シリーズ | 56Gbps |
光トランシーバ用コネクタの規格はどうやって決まる?
光トランシーバ用コネクタの規格は、さまざまな規格団体での承認を経て市場へ提供されています。
規格作成の主な流れ
1)伝送性能を決める
アメリカに本部を置く技術標準化機関 IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)で、伝送性能を決めます
2)各アイテムのベースを決める
光・電気通信および制御の相互運用を推進する業界フォーラム OIF(Optical Internetworking Forum)で、各アイテムのベースを決めます
3)各アイテムの詳細規格を決める
光トランシーバの標準化団体 MSA(Multi Source Agreement)で、各アイテムの詳細規格を決め市場へと提供されます
光トランシーバ用コネクタでお困りなら
通信ネットワークの急速な発展にともない、より高い伝送性能が求められるなか、山一電機ではさまざまな規格に対応した各種コネクタをラインアップしています。
光トランシーバ用コネクタの選定やカスタマイズでお困りでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。