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社会を支える山一グループの製品 ~医療・産業・映像機器の進化を支える高精度フィルタ~

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2024.08.30

コラム

ガラスや金属などの基材に、屈折率が異なる複数種類の材料を交互に形成した「光学薄膜」。特定波長の光の透過、反射、干渉を制御します。光学薄膜技術は、レーザーや光学フィルタ、顕微鏡レンズ、太陽電池パネルなどに幅広く活用されています。

 

当社グループの光伸光学工業は、独自に培ってきた技術により、多層なフィルタとその応用デバイスを生産しています。今回のコラムでは、光伸光学工業が誇る技術と製品が日常生活においてどのように活用されているかを解説します。

 

光学薄膜技術とは?

◆光学薄膜技術

「紫外線をカットしたい」「赤外線だけを捉えたい」など、目的に合わせて特定波長の光の透過、反射、干渉を制御するためにフィルタが使われています。

光学薄膜技術は、ガラスや樹脂などの基材に、屈折率が異なる複数種類の材料(金属酸化物、フッ化物、窒化物など)を非常に薄い層として積層する技術です。透過、またはカットしたい波長について、どういった物質が何層必要かなどを設計し、フィルタをコーティングしていきます。

 

◆真空蒸着技術

光伸光学工業では、フィルタをコーティングする際、真空になった窯で薄膜の材料となる物質を高温に熱し、蒸発させる「真空蒸着技術」を使っています。長年にわたって培ってきたノウハウを活かし、光伸光学工業では、膜厚を高度に制御することで、蒸着する物質を300層以上積み重ねても、安定した膜層数のコントロールを実現しています。

真空蒸着技術は、化学分析装置のほか、医薬品の開発などにも活用されています。医薬品開発では、多層コーティングによるカスタマイズで医薬品の特性に合わせた分析条件を設定できるため、効率的な研究開発が行えるメリットがあります。

光伸光学工業のフィルタはどこで使われている?

医療・バイオ事業

光伸光学工業のフィルタは、医療分野における血液やウイルス、医薬品等の分析やバイオ研究などで使われています。

◆生物顕微鏡

生物顕微鏡で細胞や組織を観察する際には、選ばれた波長の光だけを通すフィルタが必要です。例えば、ガン細胞を観察するケースでは、ガン細胞が蛍光色に見えるフィルタを生物顕微鏡に入れることで、ガン細胞がどこにあるのかを発見しやすくします。

 

光伸光学工業は、波長が異なる励起光・蛍光を検出できるフィルタを開発しました。1枚のフィルタで複数の物質を検出できます。他にもPCR検査で、ウイルスや細菌の遺伝子を検出する際にもフィルタが使われています。

製品一例:マルチバンドパスフィルタ

内視鏡

体の内部を観察する内視鏡。不要な光を除去するフィルタを活用することで、画像のコントラストや解像度が向上し、患部の内部組織が観察しやすくなります。また、特定波長の光を強調するフィルタを使用した際には、内視鏡画像における特定の組織や病変をより鮮明に可視化できます。

 

◆化学分析装置

化学的な組成や性質を調べるための化学分析装置は、化学実験や工業プロセス制御、医薬品の開発など、さまざまな分野で使われるものです。血液中に特定の病原体がある場合に発光して見えるフィルタなどが用いられています。

 

映像機器事業

屋外に設置される監視カメラや、屋内外で使用される業務用ビデオカメラにも光伸光学工業のフィルタが使われています。気温や湿度の変動が激しい屋外での使用にも耐えうる「耐環境性能」と、太陽光や照明などの強い外部光がカメラに入るのを防ぎ、内部反射を防ぐための「低反射率性能」を両立し、鮮明な撮影を実現しています。

例えば、光の強度を均等に減少させたい場合には、ニュートラルデンシティフィルタ(NDフィルタ)が使われます。

製品一例:NDフィルタ

産業機器事業

金属やプラスチックなどの素材を溶接加工する際、白い光が生じます。どのように加工されているのかが人間の目では見えにくく、品質的な課題が生じてしまいます。

こうした加工シーンにおいて使用されているのが赤外線カメラ用のフィルタです。レーザー加工に使う波長は透過させ、赤外線の波長を取る光はカメラの方へ反射させることで、加工中の様子が確認できるようになっています。

製品一例:高耐力レーザーミラーおよび高耐力レンズARコート

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